菜の花診療所の活動

2019/10/3-第3回 振り返りカンファレンス

 10/3に第3回 振り返りカンファレンスを行いました。今までは当院で開催してきましたが、今回は東郷駅の横の「Cocokara ひのさと」をお借りしました。当院では13~14人も入ると満員でしたが、今回は20名以上入っても余裕がありました。800円/2時間で利用でき、プロジェクターなども貸して頂けるので大変良かったです。

 今回のテーマは『介入を拒否する患者さん・ご家族にどのようにアプローチしたらいいか?』でした。 
 医療関係者はある程度、今後のことを予測し、患者さんにアドバイスをしていきます。例えば 居室からトイレまである程度距離があり、移動時に転倒の危険がある場合、移動を楽にできるように廊下に手すりを付けることを提案したり、あまり移動しなくていいように居室にポータブルトイレを設置することを提案したりします。了解して頂ければこちらとしても少し安心できますが、様々な理由で拒否されることもあります。その時は、このままで大丈夫かな?と心配が残ります。予想される危険度が高くなるほど、心配は大きくなります。そのような時どうしたらいいか?患者さんやご家族が安心して、穏やかに自宅や施設で生活できることが目的であり、介入はその手段です。ご家族の意向に従い、介入せず、もし介入を希望される時にはすぐに介入できるように準備だけしておくのがいいのではないか、介入によるメリットを説明し、根気強く説得したり、場合によっては、やや強引でも介入をした方がいいのではないか?などの議論がありました。強引な介入により、患者さんとの関係が悪くなっては元も子もありません。しかし、例えば当初、デイサービスに行くことを嫌がっていたけれど、行ってみると案外楽しめたとか、訪問薬剤は要らないと言っていたけれど、来てもらったら薬の管理が楽になったり、夜間・休日に薬が必要となり助かったというようなこともしばしば見られます。介入を勧める医療者との関係性ができていれば、ある程度の強引さもあの人が言うなら仕方ないか?となるのかもしれません。医療者側は、そのような関係性を作れるように努力をする事が大切なのだと思いました。在宅療養では医学的な視点の他に、自宅の環境、経済的な事なども複雑に絡みます。環境整備や経済的な事の問題解決は、ケアマネジャーやその他の多職種での視点からの提案が大切なのだと思いました。

2019/6/24 第2回 振り返りカンファレンス

 当院で2回目の振り返りカンファレンスを行いました。今回は、前回よりも参加者が多く、やや診療所が手狭に感じました。当院は宗像市と古賀市の間、福津市にあります。宗像市、古賀市、福津市それぞれの地域に拠点を置く訪問看護ステーションの方に出席してもらいました。同業者同士ですが活動地域が違うと案外接点が少なく、よい交流の機会になったのではないかと思っています。今後は訪問看護以外の職種の方にも来てもらい、患者さんを振り返ると共に多職種間の交流の場になればいいなと考えています。
 今回のカンファレンスでは、未成年の子供を持つ方が癌になった時、どのような苦しみがあるのか、私たちはどのような関りが出来るのかを話し合いました。また、患者さんのご家族も苦しみを抱えています。それらをどのように拾い上げ、どのような対応ができるか、考えさせられます。患者さんの痛みを緩和する方法として、鎮静剤の内服や持続皮下注射などがありますが、神経ブロックという方法もあります。どのタイミングでどのように専門医につないでいくかという課題を感じました。みんな同じような経験があり、悩みながら対応しているのだなと感じた勉強会でした。

2019/6/5 -腹水ろ過濃縮再静注法(CART)についての勉強会をしました。

 肝硬変や癌などのためにお腹に水がたまることがあります。これを腹水といいます。ある程度までは内服薬で治療できますが、多すぎると薬では間に合いません。たまりすぎるとお腹が張ってきつくなったり、息苦しくなったりします。その際にはエコーでみながら気を付けてお腹に針を刺して、腹水を抜くという方法があります。これを腹水穿刺といいます。1回でおよそ3Lほどの腹水を抜きます。しかし、ただ抜くだけだと、腹水中にあるタンパク質なども一緒に抜けてしまいます。そこでその腹水をろ過濃縮して、必要なタンパクを体に戻してあげる方法があります。それが腹水ろ過濃縮再静注(CART)です。およそ10分の1程度に濃縮して体に戻します。3Lの腹水が抜けたら、300ml程度の点滴になるということです。施行には特殊な機械を使用し手間と時間がかかりますが、在宅でも可能です。腹水を抜くだけでなく、CARTを行ったほうが体には優しいので、なるべくなら在宅でもCARTを行いたいと思っています。そこで今回は、機械の操作や物品、施行手順などの確認のため、業者を交えて勉強会を行いました。
 以前、病院で救急・集中治療に関わっていた時には、夜間に数名の医師で透析回路を組み立てたりしていました。回路の組み立ては結構複雑でしたが、最近は回路が簡単に組めるようになっていて、ずいぶん楽になったなと感じました。

2019/3/29 -振り返りカンファレンスを行いました。

 在宅で看取った方に関して、在宅でかかわった医師、看護師、ケアマネージャーなどが集まって振り返り、問題点・改善点などがなかったか話し合いをしました。また、今回の事例に関わっていない医師や看護師も数名参加して頂き、違う視点がないかアドバイスをしてもらいました。定期的に行うことで、自分たちの診療やケアが偏ったものにならないように注意していきたいと思います。
 今回は、2人の方について話し合いました。疾患の治療に固執しすぎると、患者さんやご家族の希望と違うことが起こりえます。病院でがんや重篤な疾患に対する治療の時によく問題になりますが、在宅でも床ずれの治療をどうするか、栄養・水分などをどうするかといった違う形で問題になります。全くの正解はないのですが、患者さんやご家族との関わりの中で、どのような過程が必要なのか考えさせられます。