「雪の花」吉村昭 新潮文庫

幕末期に天然痘の予防のために奔走した町医者、笠原良策の物語。実在した人物で、歴史資料を参考に描かれています。人々を救うための行動ですが、幕末という時代背景と周囲の無理解のためになかなか話は進みません。一つのことをなすために人生をかけたといっていい。何事を成すにも辛抱と継続が大切な要素なのだと改めて考えさせられました。これは同名で映画化され、松坂桃季、芳根京子、役所広司などが出演しています。映画も観ましたが、やっぱり小説のほうが事を成すための執念深さや迫力を感じられると思います。