今回から不定期に書評ブログを投稿いたします。個人的に興味深い書籍について、簡単なコメントを記したいと思います。
「痛みと漢方を学ぶ会」という勉強会で、私の漢方の師匠である平田道彦先生より紹介された本で、興味を持って読んでみました。夏樹静子さんは日本を代表するミステリー作家でご存じの方も多いかと思います。しかし、その作家としての絶頂期に作家をやめることを考えるほど腰痛で苦しんでいたことはあまり知られてないでしょう。細かな描写と時系列で病状が描かれていきます。多くの医師やその他の治療家に診てもらいながらも改善しない病状に、この先どうなるのかと読み手の私がはらはらしながら読み進めました。最終的には絶食療法により腰痛から解放されることになります。どうして絶食が効くのか?正確な作用機序はわかりません。普段の診療でも診断がつかない病気や一般的な治療でなかなか治らない病気にしばしば遭遇します。それでも粘り強く、諦めずに取り組むことの大切さを感じました。